「TBIが苦手…。15分も歯磨き指導できない!」「TBIのコツが知りたい!得意になりたい!」
歯科衛生士であれば診療中によくするであろうTBI。そのTBIが苦手という方は多いのではないでしょうか。
この記事では、TBIが得意になるコツやマインドを紹介しています。
2024年現在で歯科衛生士歴9年の筆者が分析し、まとめてみました。
ぜひ参考になれば幸いです。
【結論】適当でいい
結論から言います。TBIは「適当でいい」です。
適当でいいってどういうこと!?雑にやれってこと!?って思われるかもしれませんが、違います。
まず、TBIをするためには自分が無理をしないこと。
「適当にやろ〜」というくらいリラックスして望みましょう。
逆に「何が何でも完璧に磨いてもらってから帰らせる!」なーんて指導すると磨いてくれません。
真面目に指導すればするほど、患者さんは引いていきます。
そして患者さんを怒らない・叱らない・責めない
TBI=お説教ターイム!じゃないですからね。
次はTBIのコツについて詳しくお話しします。
TBIのコツは?
いつも使ってる歯ブラシを持ってきてもらう
TBIをするときは、歯ブラシを持ってきてもらいますよね。
「いつも使ってる」というのが重要です。
何ヶ月も替えてない、カビが生えてて不衛生、1週間しか使ってないのに毛が既に開いてるなど、歯ブラシから沢山の情報を得られます。
可能であれば、いつも使ってる歯間ブラシ やフロスも持ってきてもらうといいでしょう。
中には使い捨てのフロスを切れるまで何日も使ってる人もいます。
たまに新品の歯ブラシを持ってくる人がいますが、「なんでいつも使ってる歯ブラシ持ってこないの!?」なんて怒ってはダメですよ(笑)
古い歯ブラシを見せたくない、見られたくない、恥ずかしいという患者さんもいます。
うるさく言わずにスルーしましょう。
磨けているところを褒める
TBIは染め出しして指導すると思います。
染め出すと、染まっているところを一目散に指摘したいでしょうがそこは我慢です。
まずは磨けているところを褒めましょう。
「ここが磨けてますね〜」とか「綺麗になってますね」とか、「頑張って磨いてるんですね」とか、たとえ磨けてなくてもとりあえず褒めます。
患者さんに限らないですけど、人って誰しも認められたいんですよ。自分の行いを否定されたくないし、怒られたくもないんです。
ましてや歯医者なんて好んで来る人が少ないのに、そこで否定されて怒られたら来たくなくなります。
まずは褒めて、認めてあげましょう。話はそれからです。
ちょっと頑張れば出来そうなところを教える
患者さんにとって、難易度が高くなくて、ちょっと頑張れば出来そうなことを教えます。
例えば、「ここだけ!意識して磨いてみましょう」とか「歯間ブラシは数日に1回なら、できるだけ毎日してみましょう」とか、ハードルが高くないことを指導します。
「歯ブラシを一ヶ月に一回は変えましょう」というのも、ハードルが低くてすぐに取り組めるのでいいですね。
逆にいきなり歯ブラシの磨き方も歯間ブラシやフロスについても全て完璧にさせようとしたら患者さんは混乱します。
何が重要なのかわからなくなってしまいます。そして帰る頃には忘れてます(笑)
教える情報は少なく、そして分かりやすく、簡単に!伝えます。
患者さん自身が気づく
私たち歯科衛生士がプラークが残っているところを教えるよりも、患者さん自身で気づいてもらったほうが改善します。
なので口うるさく「ここが残ってる」と指摘しないようにしましょう。
患者さん自身で気づかなそうな場合は、気づくように誘導します。
染めだしてから鏡で見てもらい、「いかがですか?」と聞いてみるといいでしょう。
専門用語は使わない
舌(ぜつ)とか歯頚部など、専門用語は使わないようにしましょう。
歯科衛生士にとっては当たり前のことでも、患者さんにとっては分からないことばかりで当たり前ではないかもしれません。
それを念頭においてTBIをしていきましょう。
実際に磨いてもらったあと、また褒める
たとえ上手に磨けてなくても、とりあえず褒めます。
気持ちよくなってもらえればいいんです。
真面目に指導して、叱っても来なくなるだけです。
それよりは磨けてなくても、何度も定期検診で来てもらって指導するうちに良くなっていくかもしれません。
一番恐れなくてはならないのは、「歯磨き指導が嫌だから歯医者に行かない」ということです。それでは本末転倒です。
患者さんに気持ちよくなってもらい、また来たいと思って帰ってもらうことが大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
筆者も新人の頃はTBIが嫌で嫌で仕方ありませんでした。
できればしたくないし、15分も指導できない…。ましてや年上の人に歯磨き指導をするなんて恐縮だわ…と思っていました。
ですが、やはりプラークコントロールが良くなると歯周病も良くなるしう蝕罹患率も下がるんですよね。全身の健康状態にも影響を与えるほどです。
プラークコントロールって本当に大事です。それを変えるのは歯科衛生士の役目です。
歯科衛生士歴が長くなってくるほどTBIは重要だと思うようになりました。
TBIは年齢や性別、生活習慣など個々に合わせた指導が必要になります。
どうしてもワンパターンの指導になりがちですが、個々に柔軟に対応していきましょう。
患者さんにとってTBIが利益のあるものになるよう、歯科衛生士が寄り添っていきましょう。