「投資をしたいけど、難しそう」「投資をしているけど、最適な方法であるかわからない」「投資でもっとたくさんお金を増やしたい」
投資でよくある悩みですが、コツさえ押されれば誰でも最良の運用成績を出すことができます。
本稿では、最良の運用成績を出す投資法とその根拠を紹介します。
我が家は夫婦ともに非金融関係の職業ですが、投資を本格的に始めてから2年で運用成績35%程度を出せました。
お金を増やしたい方はぜひ読んでみてください。
最良の投資法
最良の投資法は全世界株式のインデックス投資信託のみ行うです。
詳細は下記の通りです。
- 生活費等で使う分の金額を現金で保持し、それ以外の金額はすべて投資する。
- ネット証券(楽天証券、SBI証券等)で投資商品を購入することで手数料を安く抑える。
- 投資対象は運用手数料が安い全世界株式のインデックス投資信託のみ(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)等)。
- 全世界株式のインデックス投資信託以外の金融商品(債券や不動産投資、個別株等)には手を出さない。
- 下記の優先順位で投資する。
- iDeCo 満額(毎月2万円等)に設定。※iDeCoは65歳まで引き出せないため、投資可否は個人ごとの判断となります。詳しくは後述します。
- 新NISA 年間240万円の成長投資枠を満額投資。
- 新NISA 年間120万円のつみたて投資枠を満額投資。
- 特定口座 上記以外に余剰資金がある場合、一括投資。
- 余剰資金があるときにすぐ投資する。早ければ早いほど良いため、購入するタイミングは見図らない。
- 定期的(1年ごと等)にファンドを確認し、運用手数料がもっと安いファンドがあれば切り替える。
上記を行うだけで、そこらの投資家や金融マンよりも高い運用成績を出すことができます。(私が周囲の話を聞いた所感です。)
以降ではパターンごとの例を紹介した後、投資法の根拠について紹介します。
パターンごとの例
投資できる金額(余剰資金)に応じて、何でいくら投資するかは様々なパターンがあります。
下記ではパターンごとの投資手順を紹介します。
3000万円の貯金があり、現金を100万円保持していたい場合
投資手順は下記のとおりです。
- iDeCoを満額設定
- 新NISA 成長投資枠で毎年240万円×5年間投資する。
- 新NISA つみたて投資枠で毎年120万円×5年間投資する。
- 特定口座 2540万円(余剰資金2900万円-新NISA360万円)を一括投資する。
- 現金が100万円を上回ったタイミングで、余剰資金を特定口座で一括投資する。
新NISAに毎年360万円投資するタイミングで、特定口座の一部売却を行うと良いです。
特定口座の360万円→新NISAの360万円にお金を移動させることができます。
1000万円の貯金があり、現金を200万円保持していたい場合
投資手順は下記のとおりです。
- iDeCoを満額設定
- 新NISA 成長投資枠で毎年240万円投資する。
- 新NISA つみたて投資枠で毎年120万円投資する。
- 特定口座 440万円(余剰資金800万円-新NISA360万円)を一括投資する。
新NISAに毎年360万円投資するタイミングで、特定口座の一部売却を行うと良いです。
ただし、3年目は特定口座の評価額が125万円(440万円×1.05×1.05-360万円)程度であるため、特定口座を全部売却して全額新NISA成長投資枠で投資しましょう。
それ以降は新NISAの生涯投資枠1800万円を埋めるまでは新NISAのみに投資し、生涯投資枠が埋まったら余剰資金を特定口座で投資しましょう。
500万円の貯金があり、現金を100万円保持していたい場合
投資手順は下記のとおりです。
- 【収入が安定している場合】iDeCoを満額設定
- 新NISA 成長投資枠で毎年240万円投資する。
- 新NISA つみたて投資枠で毎年120万円投資する。
- 特定口座 40万円(余剰資金400万円-新NISA360万円)を一括投資する。
iDeCoは65歳にならないと引き出せないので、収入が安定しているうちは毎月満額で投資したほうが良いです。
「収入が安定しない」「老後の貯金を準備しておくつもりがない」場合、iDeCoはしなくても良いですが、多くの場合はiDeCoはしておいたほうが無難です。(詳しくは後述します。)
2年目の新NISA投資タイミングでは特定口座の評価額が42万円(40万円×1.05)程度であるため、特定口座を全部売却して全額新NISA成長投資枠で投資しましょう。
それ以降は新NISAの生涯投資枠1800万円を埋めるまでは新NISAのみに投資し、生涯投資枠が埋まったら余剰資金を特定口座で投資しましょう。
貯金はあまりないが、少しでも投資したい場合
投資手順は下記のとおりです。
- 【収入が安定している場合】iDeCoを満額設定
- 新NISA 成長投資枠で余剰資金ができたタイミングで投資する。
iDeCoは65歳にならないと引き出せないので、収入が安定しているうちは毎月満額で投資したほうが良いです。
「収入が安定しない」「老後の貯金を準備しておくつもりがない」場合、iDeCoはしなくても良いですが、多くの場合はiDeCoはしておいたほうが無難です。(詳しくは後述します。)
新NISAの生涯投資枠1800万円を埋めるまでは新NISAのみに投資し、生涯投資枠が埋まったら余剰資金を特定口座で投資しましょう。
【根拠】生活費で使う以外の金額をすべて投資することについて
リスク許容度に応じたアセットアロケーション(投資配分)は各人のケースにおいて検討する必要がありますが、本稿では割愛して私の考えを記述します。
生活費で使う以外の金額をすべて投資する根拠は下記のとおりです。
- 全世界株式のインデックス投資信託では基本的に評価額が年利5%で増加していく。(詳しくは後述します。)
- 突発的に多くの現金が必要となった場合は特定口座または新NISA口座を一部売却することで、数日で現金を準備可能。
- 全世界株式のインデックス投資信託においては、株価は常に「適正価格」であり、買い時・売り時は存在しない。すなわち、一部売却したときに元本割れしてしまったとしても、同様の投資方法を続けることで資産は年利5%の増加を常にキープすると考える。
- 例 1000万円を投資後、評価額が900万円(1000万円が-10%)のときに100万円を一部売却した場合、残りは800万円となります。年利5%を基準に考えた場合は1年後には920万円(800万円が+15%)に上がっていると仮定した場合、一部売却時に元本割れしていても、長期的に考えた場合は評価額の合計は1020万円(一部売却100万円+920万円)となり、当初より増加することになります。
【根拠】ネット証券を使い、手数料を安く抑える
投資商品購入にはネット証券(楽天証券、SBI証券等)を使用し、手数料を安く抑えると良いです。
根拠は下記の通りです。
- ネット証券の場合、手数料は0.05%程度で購入できる投資商品もある。
- 年利5%を考えた場合、年間4.95%増えることになる。10年間で62%増える計算となる。
- 店頭販売などの場合、同様商品でも手数料が0.6%の場合がある。
- 年利5%を考えた場合、年間4.4%増えることになる。10年間で53%増える計算となる。
- すなわち、0.55%の手数料の差であっても、長期投資すればするほど利益の差が大きくなってしまうため、手数料は安ければ安いほど良い。
【根拠】運用手数料が安い全世界株式のインデックス投資信託のみに投資する
運用手数料が安い全世界株式のインデックス投資信託のみに投資することで、最良の運用成績を出せます。
根拠は下記の通りです。
- 最適な運用成績は市場平均であり、最適なポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)はインデックスファンドのみである。
- インデックスファンドは株式市場をまるごと買う行為。
- 株式市場をまるごと買うことで株式を時価総額に応じてすべてを固有することになり、市場平均とほぼ同じ運用成績を出すことができる。
- インデックスファンドはファンドマネージャー(株式のプロ)が運用しており、それに勝つためにはプロ以上の運用成績を出す必要がある。多くの場合で勝つことは不可能。
- すなわち、多くの場合で市場平均以上の運用成績を出すことは不可能。(一部の人は個別株で良い運用成績を出すことがありますが、長期的には良い運用成績が持続しない場合が多いと考えています。)
- 簡単に言えば、世界経済の成長度合いに伴って評価額が増えていきます。
- 全世界株式のインデックス投資信託のリターン(利率)・リスク(標準偏差)を考えた場合、長期投資をするほど元本割れリスクがなくなる。
全世界株式のリターン(利率)・リスク(標準偏差)について
全世界株式のリターン(利率)を8.3%、リスク(標準偏差)を14.9%とします。
1年間投資した場合、5年間投資した場合、10年間投資した場合の成績は下記のとおりです。(10万回のモンテカルロ法によるシミュレーションを行っています。)
グラフより、年数が大きいほど最頻値の成績が高くなることがわかります。
すなわち、長期投資すればするほど評価額が高くなる確率は大きくなります。
【根拠】全世界株式インデックス投資信託以外の金融商品には手を出さない
全世界株式インデックス投資信託以外の金融商品の場合、長期投資しても運用成績が上回ることはないです。(長期投資すればするほど、上回る確率が低くなってしまう。)
金融商品の組み合わせはすればするほど投資効率が悪くなってしまいます。
そのため、金融商品は全世界株式インデックス投資信託のみが最適です。
国内株式、新興国株式、国内REIT、先進国REITそれぞれをシミュレーションすると、年数が経つとともに最頻値の評価額が低くなってしまうことがわかります。
リターン及びリスクの値は下記サイトを参考にしました。
【根拠】投資の優先順位について
iDeCo→新NISA→特定口座 の順に投資するとお得です。
以降では各制度ごとの特徴を紹介します。
iDeCo
iDeCoは下記の通りお得です。
- 拠出金額がすべて所得控除の対象になる。
- 年収500万円の場合、年間48,000円程度の節税ができます。
- iDeCoは受取時に税金がかかりますが、退職控除等を考慮すると、所得控除による節税効果のほうがはるかに大きいです。
- 非課税運用できる。(利益の20%が控除されることがない)
デメリットとしては65歳になるまで引き出せないことです。
余剰資金がある方は許容できる範囲で最優先で使用しましょう。
なお、私はiDeCoを満額(毎月2万円)しています。満額すべきと判断した根拠は下記の通りです。
- iDeCoで毎月2万円積立した場合、合計840万円投資することになる。
- 自分が65歳になったときはiDeCo未使用だった場合でも、現金や投資信託の合計で840万円以上は貯めているはず。⇒iDeCoで毎月2万円積立したほうが節税効果もあるためお得
貯蓄や収入の状況に応じて、毎月どのくらいiDeCoに投資できるか計算し、最優先で投資しましょう。
新NISA
新NISAは成長投資枠が年間240万円、つみたて投資枠が年間120万円、生涯投資枠として1800万円が非課税運用(利益の20%が控除されることがない)できる制度です。
非課税運用できるため、当たり前ですが特定口座より優先して投資すべきです。
新NISAでの投資ルールは下記の通りが望ましいです。
- 1月(年初)に余剰資金のうち240万円までを成長投資枠に一括投資する。
- 余剰資金が240万円以上ない場合は全額を成長投資枠に一括投資します。
- つみたて投資枠への積立設定を月10万円まで設定する。
- 1月に1,198,900円、2月~12月に100円ずつ投資して上限120万円を埋めた場合は更に投資効率が良くなります。ただ、積立設定を切り替えるのが面倒…
すでに特定口座で投資している場合、特定口座を売却して新NISAに回すと良いです。
「すでに特定口座に投資している分は据え置きとして、今後の収入から新NISAに回そう」と考えてしまうと、運用成績に差が出てしまいます。
- 特定口座1800万円は年利4%の場合、5年後の利益は約390万円(1800万円×0.04)になります。
- 特定口座から新NISA口座に毎年360万円ずつ移管した場合、税率分だけ利益は高くなります。
- 福利を考えずに計算した場合でも、18万円(360万円×1.01×5年間)利益が増加します。
特定口座
投資の非課税枠をフルで使用した後は特定口座で投資できます。
特定口座は利益の2割が税金となってしまいますが、利益の8割は取得することができます。
iDeCoや新NISA以外にも余剰資金がある場合、残りは現金で保有せずに特定口座で投資しましょう。
【根拠】余剰資金があるときにすぐ投資する
新NISAや特定口座に投資する場合、余剰資金があるときにすぐ投資すると良いです。
「いまは株価が高いから、低くなったら投資しよう」など、今後の動向を予測して投資した場合、投資効率は落ちてしまいます。
根拠は下記のとおりです。
- 長期的に成長することを前提とした場合、株価はその時点が常に最低額と考えられます。
- 長期的に成長するため、暴落が起きたとしてもいずれは回復すると考えます。
- 私は一括投資した当初、半年間はずっとマイナスであり、-10%まで落ちたこともありました。
【根拠】定期的にファンドを確認し、運用手数料が安いファンドに切り替える
インデックスファンドでも「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」「One-たわらノーロード 全世界株式」など、様々な金融商品があります。
今後も新しい金融商品が出てきますので、定期的(私は1年ごととしています)にファンドの一覧を確認し、人気かつ運用手数料が安いものがあれば、切り替えると良いです。
まとめ
今回は最良の投資法を紹介しました。
全世界株式のインデックス投資信託をするたけで、最も効率よく資産が増えるという話です。
単純ですが、根拠のある最良の投資法ですので、ぜひ参考にしてください。